クライエントさんからカウンセリングの感想を頂きましたので、紹介いたします。
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山崎さんのカウンセリングを受ける前に、2度ほど医療機関でカウンセリングを受けたことがあります。
そのカウンセリングでは、「そんな小さいことを気にしてるんですか。気にしないような考え方を身につけましょう」と、助言され、(私はそれで生きるか死ぬかくらい困っているのに)何を言っても「うんうんうん」と、可哀想ですね、私は共感してますよ。と、いう態度をされている気がしました。
一方、山崎さんは冷静で、安心します。
カウンセリングでは、『なぜそう思ったのですか?』、『その時どんな気持ちになりましたか?』と、しっかり質問をしていただけます。
そのように聞かれると、私の意見を言ってもいいのかな…とか、自分でも、なんでだろう?とか、自問自答するんです。自分で考える力がつくんです。
その結果、今までは人任せ、考え方まで人に依存していたことに気付くんです。それにはびっくりしました。ただ、「うんうんうんわかる〜」みたいに聞いているだけのカウンセラーとは違うんだな。と、思いました。
あと、カウンセリング2回目くらいの時に、私が私について、「これってなんでですかね?」と、聞いたときに「それはわかりません」とはっきり言ってくれたのが、私にとっては安心しました。
心の中で、「そりゃあそうだよな。私のことなんて私にしかわからないのに、そんな質問をしても、ほぼ初対面に近いし、誰もわかるわけがないよね。そりゃそうだ。不安と依存心で聞いてしまったんだな」と、今振り返るとそう思います。
明らかにわからないのに、一緒に考えて無理やり答えを出すような人より、安心しました。あと、沈黙があっても不安にならないのでありがたいです。
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カウンセリングで感じたことをとても詳しく教えていただき、ありがとうございます!
「自分で考える力がつく」というのは、他のクライエントさんからもよく言われることです。
それは、私がわからないことは「わからない」とはっきり言うからかもしれませんね(笑)。
すぐに答えを与えてほしい方にとっては不満かもしれませんが、私はクライエントさんと一緒に考えたいのです。
カウンセリングでは、(当然ですが)カウンセラーはクライエントさんに関心を持ち、お話に耳を傾けます。
クライエントさんの気持ちを少しでも深く理解したいので、「その時のお気持ちをもう少し詳しく聴かせてもらえませんか?」とか「本当はその時どうしたかったんですか?」「お母さんとはどんな関係でいたいですか?」などと色々と質問します。 (特に私はけっこう細かく問いかける方です)
そうすると、自分の内面と向き合うことになりますよね。
「あれ?どんな考えで行動したんだっけな」
「なんであんなに腹がたったのかな」
「私ってどうしたいんだっけな」
ここで、自分のノーマルな欲求や感情に目を向けて振り返るのですが、これが苦手な人が多いんですよね。
というのも、例えば今回感想をくれたクライエントさんは、幼少期から親の顔色を伺うことが習慣になっていて、自分の欲求や感情に目を向けることをしてこなかったわけです。
言い方を変えれば、親から内面に関心を持ってもらえず、カウンセリングで私からされるような問いかけをされてこなかったのです。
「今日はどこに行きたい?公園?公園で何したい?ブランコのどんなところが楽しいの?」
「なんであんなに怒ってたの?お母さんの言い方が悪かったかな?どう言えば良かったかな」
「いつも休み時間に何してるの?〇〇君とどんなところが気が合うの?」
親が子どものノーマルな欲求や感情に関心をもって、質問し、子どもが自由に語る。
このやりとりが繰り返されることで、子どもは自分の欲求や感情にきちんと意識が向くわけです。
自分が何を望んでいるのか
どうしてそれが欲しいのか
何が好きで、何が嫌いなのか
今日はどんな気持ちだったのか
なんでこんなに嫌だったのか
自分の気持ちに焦点を当てて、それを親に伝える。
そして、否定されずに受け止めてもらう。
自分の気持ちを大切に扱われることによって、自分でも自分のことを大切にできるようになるんですよね。
このクライエントさんは、これとは逆で、自分よりも親の感情と欲求に常に焦点を当ててきました。
「お母さんは私に何を望んでいるのかな」
「ここで私はどうするべきかな」
「やばい!お父さんを怒らせちゃった」
幼少期から自分の欲求と感情を扱わず、ただただ相手の望む行動をとってきたわけですから、「自分がどうしたいのか」「何を感じているのか」なんてよくわからないんですよね。
だから、カウンセラーからの問いかけに対して初めは戸惑うわけです。
「あれ?私ってどうしたいんだっけな」
「なんでこんなに怒っているんだろう」
戸惑いながらも、自分の気持ちを言葉にして伝えていくのです。
こうしてカウンセラーとやりとりを重ねていく中で、これまでとは真逆の、自分の気持ちに目を向ける習慣が身に着いていきます。
その結果、「相手がどうか」ではなく、「私の考えはどうなのか」「私はどうしたいのか」と自分で考える力がついていくわけです。
このクライエントさんは、自分で考えるようになってみて初めて、今まで自分が人任せで生きていたことに気づき、その事実に驚いたんですよね。
確かに、考える力が身についた喜びの一方で、「カウンセリングを始めて数カ月で変われたなら、これまでの私はなんだったんだ!」という深い悲しみにも襲われることでしょう。
自分のことを理解するというのは、本当に辛く苦しい作業です。
心が折れそうになることもたくさんあるでしょう。
だからこそ、これからも少しでも前進できるよう、お力になりたいです。
引き続き、一緒にがんばっていきましょう!