クライエントさんから頂いた嬉しい報告を紹介いたします。
「この一ケ月、職場でちょっと先輩と揉めてしまい、気まずい雰囲気で仕事をしています。それでけっこう疲れてます。まあ、それでも仕事を休むとか、具合が悪くなるとかまではいってません。普通に仕事してます」
「今回、前とだいぶ変わったなと思いました。前は、人間関係で嫌なことがあると、全て自分が悪いと思っていたけど、今は相手の問題もあるなと思えるんです。今回、その先輩の言い方だったり、仕事の仕方だったりにも色々と問題があるなと。もちろん僕のコミュニケーションが下手なのもあるけど、今回は相手も半分くらい悪いなと思えてます」
「そう思えると、だいぶ違いますね。疲れてはいますけど、前みたいにどんよりと一人で考え込まずに普通に仕事してます。ストレスは減ってますね。前の自分は大変だったなとしみじみ感じました」
ご報告ありがとうございます。
素晴らしい変化だと思います!
この方は1年前にうつ病で仕事を休職して、その時からカウンセリングを受けて頂いています。
現在は復職して、順調に仕事をこなしながら、合間にカウンセリングに来ています。
カウンセリングを始めた当初は、ネガティブに物事を考える癖が強くて、職場でも家でも、何か問題が起きると「僕が悪い」「きっと自分の態度が相手を怒らせたに違いない」と全て自分にベクトルを向けて考えてしまっていました。
ネガティブな考え方の癖
これで悩んでいる方に、カウンセリングでは本当に多くお会いします。
例えば
明らかに上司からパワハラを受けているにも関わらず、「私の仕事の仕方が悪いんです」「確かに言い方はきついけど、言われていることは間違ってないし、悪いのは私ですから」と自分が全て悪いと考える。
同僚に「お疲れ様です」と挨拶をしたら、こちらの顔を見ずにパソコンを見ながら「お疲れ様です」と返事をされたので、「嫌われている」「きっと私が今日何かまずいことをやっちゃったんだ」と考える。
こうやって、常に悪く物事を受け取る癖、あなたにもありませんか?
これは、本当に辛く苦しいことです。
こういう考え方の癖がついている方は、常に不安だし、緊張しやすいし、そして体調が悪い方が多いです。
もしあなたにそういう傾向があるとすれば、あなたは毎日、本当に頑張っていると私は思います。
こう言われると、「いやいや、そんなことないです。私なんて全然頑張ってません。ダメな人間です」と思いませんでしたか?
みんなそう言うんですよ(笑)。
ネガティブに捉えるということは、つまり「人間関係に安全を感じていない」ということですよね。
だから、本当に慣れ親しんだ職場であれば別ですが、ただ一日過ごすだけでも、緊張感、負担は人よりも高くなりやすいはずです。
当然疲れるし、余計に頑張る必要があるんですよね。
だから、頑張っていると私は思うんです。
ネガティブな考え方の癖は、今のあなたにとっては大きな足かせでしかないですよね。
自分の足をひっぱるもの。
ストレスの素となるもの。
できればなくしたい、とても苦しいもののはずです。
でも、知っていますか?
あなたのネガティブな考え方の癖に、あなた自身が助けられていた時期もあるんですよ。
あなたは、子どもの頃から、嫌なことや悲しいことを誰にも話さずにいつも一人で抱え込んできませんでしたか?
ピアノをやめたいと言っても、怒られるだけだし
学校の先生からいじめられていると言っても「先生のことを悪く言っちゃダメ」と言われちゃうし
または、親が心配性すぎて、ちょっと友達のことを悪く言うと「いじめられてるの!?」なんてヒステリックになって、学校に乗り込んでいっちゃったり
こんな環境で、辛いことを普通に「辛い」、嫌なことを普通に「今日嫌なことがあった」とも言えずに、一人で抱え込んできませんでしたか?
もしあなたがそんな環境で生きてきたとすれば、あなたにとってネガティブな考え方の癖は、日々を一人で生き抜くために、必要なものだったと私は思います。
なぜなら、「辛い」ことを「辛い」と認めて過ごすよりも、「どうせ私が悪いんだから」と自分にベクトルを向けて自分を納得させることで、葛藤を抑えられるからです。
そうですよね?
今でも、あなたはそうやって生きていませんか?
人間関係のストレスに向き合うよりも、自分の問題にして完結する。
できるだけ考えないようにする。
そうやって、あなたは一生懸命に生き抜いてきたのです。
でも、これまであなたを支えてきたそのやり方は、段々と限界を迎えるんですよ。
当たり前ですが、年齢を重ねるほどに責任や役割は増え、ストレスが増えます。
仕事、家庭、友人関係、お金、健康など、様々な問題と向き合わないといけない時に、全て自分にベクトルを向けて、葛藤をしないようにしてやり過ごす方法だけでは、あなたの心はパンクしてしまいます。
だからこそ、これからは別の方法で人間関係の問題と付き合う必要があるのです。
今回感想を頂いたクライエントさんには、カウンセリングできちんと辛いことやストレスに感じたことを話す習慣を持ち、まずは長年培った「一人で抱え込む習慣」を変えてもらいました。
ちゃんと話せる場を作れば、抱え込んで考えないようにするのではなくて、問題と向き合うだけの心のキャパができるんですよね。
辛いなー、イヤだったなー、まあ、俺が悪いんだろうなー、でも、本当に俺が悪かったのかなー
こんな風に、ちゃんと葛藤するんですよ。
それをカウンセリングで話し、考え方の癖を点検する。
これまでの「どうせ自分が悪い」で終えるのではなく、もっと自分の気持ちと向き合い、客観的に起きた問題を見る。
その中で、自分が相手をどうありたいのか、何を大切にしたいのかなどを考え、できることをやってみる。
この繰り返しが、冒頭の変化につながったのです。
いつも思うんですが、30年、40年と生きている人が考え方の癖を変えるって、本当にすごいことですよ。
考え方の癖を変えるための本とかたくさん出てますけど、(本を否定する気は全くないですが)考え方の癖って、テクニックですぐに変わるものではないんです。
「変わりたい」と心から思う本人の思い
そして、何度も何度も考え方を点検していく行動の積み重ねと体験
そのひとつひとつの繰り返しが、新たな「習慣」を作るのです。
カウンセリングをしていると、本当にクライエントさんのがんばりから勇気を頂けます。
本当に良かったです。
引き続き、サポートさせて頂きます!