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共依存をやめた直後の激しい不安や落ち込みは、あなたを成長させるためにある。

 

今日は、共依存を克服するプロセスでほとんどの人が経験する、強い落ち込みや不安、苦痛についての話をします。

 

「カウンセリングを受けて、今のままでは私が傷つくだけだと思って、彼と距離を置いてみたんです。がんばって私から『しばらく会うのやめよう』と伝えて。それからLINEもやめて。できるだけ仕事に集中しようと思って。それから1週間ですけど、私なりにがんばっていると思います。でも、最近なんだか落ち込みが強くて。物凄く落ちてます。生活がしんどくて、なんとか今日のカウンセリングを目標にやってきました」

 

「仕事の依頼を断らないと体調が良くならないと思って、『今は具合が悪いので仕事を受けられない』と伝えるようにしました。それができただけでも大きな成長です。でも、そこからとにかく不安で不安で。もうこのまま誰からも必要とされないんじゃないかとか、もう生きていても仕方ないんじゃないかな?こんなに苦しむなら、仕事してた方がマシだ!カウンセリングなんて受けなきゃよかった!とか、大変なんです」 

 

共依存の克服に向けてがんばるクライエントさんからよく頂くご相談です。

 

皆さん、本当に頑張っていらっしゃると思います。

 

今の自分を変えたい!と思い、カウンセリングに申し込む。

 

これだけでもとても勇気のある行動ですよ。

 

そして、カウンセリングで問題を整理していく中で、共依存克服のために自分にできるところから行動してみる。

 

仕事を断ってみたり、恋人や友達、親との関係を見直して距離を置いてみたり。 

 

「もっと人から必要とされたい」「嫌われたくない」「認められたい」

 

こんな思いで、目の前の人間関係を優先しては傷ついたり、無駄に消耗したり。

 

こんな生活を繰り返してきた人が、恐る恐る新たな一歩を踏み出してみる。

 

これは本当にすごいことなんです。

 

ただ、この「初めて依存をやめてみた時」。

 

ここが大変です。

 

多くの方が、個人差はあれど、「最大の修羅場」と言っても過言ではないほどの強い苦痛に悩まされます。

 

初めて依存をやめてみたあなたを待ち受けるもの。

 

それは、これまで人から「認めてもらうこと」「必要とされること」で一時的に癒してきた、あなたの「不安」や「自信のなさ」がむき出しになって目の前に現われるのです。 


共依存をやめた時に訪れる、「本当の自分」との出会い。

 

そもそも、あなたが共依存をやめられない原因のひとつは、この「不安」や「自信のなさ」を抱えきれないところにあります。

 

子どもの頃から、あなたはずーっと不安で、自信がなくて。淋しくて。孤独で。

 

「誰も私の気持ちなんてわかってくれないだろう」

 

「私なんていてもいなくても変わらないんじゃないかな」

 

こんな思いを抱えて生きてきたのではないでしょうか。

 

一生懸命、がんばってきたはずです。

 

人から認められるように。

 

嫌われないように。

 

仕事で目に見える成果を出すように。

 

「あなたがいてくれて良かった」と思ってもらえるように。

 

そうやって、人から認められることで、求められることで、自分の存在意義を確認できたんですよね。

  

一日一日を必死に生きてきました。

 

そんなあなたが、今、自分の不安や自信のなさを癒すための「人への依存」をやめてみた。

 

それは言ってみれば、あなたは今まさに、これまで向き合ってこなかった「不安」や「自信のなさ」と真っ向から対峙しているということなのです。

 

だから、今のあなたを苦しめている強い落ち込みや不安は、あなたが「共依存をやめてみたこと」でようやく出会えた、本来のあなた自身なのです。


感情の扱い方を学ぶことで、「なりたい自分」に近づくことができる。

 

クライエントさんの多くは、初めて直面する不安や落ち込みの圧倒的なパワーにのまれ、苦しみます。

 

そこで、不安に耐え切れずに距離を置こうと決めた恋人に連絡をしてしまったり、断ろうと思っていた仕事を引き受けてしまったりすることは全く珍しいことではありません。

 

でも、それは悪いことでもなければ、後退でもありません。

 

自暴自棄になる必要なんてないですよ。

 

カウンセリングを受けて、一時的にでも共依存をやめてみて、そこで本来の自分に出会った。

 

これそのものに価値があるのです。

 

共依存をやめた時の不安や落ち込みがあまりにも強ければ、まずそれに気づくことができただけでも大きなことです。

 

その不安や落ち込みとどう付き合っていくのか、それを一緒にカウンセリングで考えていきましょう。

 

皆さん、子どもの頃から自分の辛さを人にきちんと話せてきていないんですよね。

 

家庭の中が緊張に包まれていて、とてもそんなことを言える空気ではなかったとか、親に話したところで正論を言われて終わりとか

 

そんな環境の中で、嫌なことや困ったことを聴いてもらうことがなかったので、できるだけ感じないようにするのが自分を守るには良い方法だった。

 

だから、ネガティブな感情の扱い方がわからないのです。

 

扱い方がわからない状態で、不安や落ち込みの大波に襲われたら、乗りこなせるはずがありません。

 

なので、少しずつで大丈夫です。

 

カウンセリングを通して、乗りこなし方を学んでいきましょう。 

 

辛さや不安って、ちゃんと聴いてもらうことで癒されるし、「聴いてもらえる場所がある」と思えるだけで耐えられることがあるって、わかりますか?

 

「今までなら不安になるとすぐに安心したくて仕事にのめり込んでたんですが、今は『次のカウンセリングで聴いてもらおう』みたいに思えるので、なんとか踏みとどまることができています。それで最近帰りが早くなって、自分の時間をちゃんと持てるようになりました。気持ちはだいぶ楽です。ずっと、こういう普通の生活に憧れてたんですよ」

 

「聴いてもらうことの大切さが本当によくわかりました。私は、子どもの頃からこういう風にちゃんと聴いてもらってこなかったんだな。だからなんでも一人で抱え込んで苦労してるんだな、と心底納得しました」

 

これはカウンセリングを受けて4カ月のクライエントさんの言葉です。

 

不安や苦痛に耐える経験は大変だと思いますが、その経験を通して、大きな変化と成長を実感できる。 

「カウンセリングを受ける」という大きな決断をした自分

 

「共依存をやめよう」と決めて行動に移した自分

 

共依存をやめた時の激しい不安や落ち込みに立ち向かった自分

 

そのひとつひとつの積み重ねが、「なりたい自分」に近づいていきます。

 

つまり、今よりももっと自分のことを好きになれるのです。

 

人に認めてもらわなくても、自分が自分のことを認めることができる。

 

そんなあなたに近づけるように、精一杯お手伝いをさせて頂きます。