カウンセリングを受け始めたばかりのクライエントさんから、こんなご報告を頂きました。
「カウンセリングを2回受けただけで、のんびり湯船に入れるようになったんです!」
「今まではいつも慌ただしくシャワーで済ませていたのに、この前ふと思い立って、湯船にのんびりつかりました。湯船に入れて驚きました」

カウンセリングを受けて、これまで湯船につかる習慣がなかった人が、湯船につかれるようになる。
カウンセリングにこんな効果があるなんて、あまり聞かないですよね。
でも、こういう報告を嬉しそうにしてくださる方は、年に何人かいらっしゃいます。
「まさか僕の人生で湯船につかれる日がくるとは…」
前にトラウマ療法を行った20代のクライエントさんがとても感動していたのを覚えています。
カウンセリングに来るクライエントさんは、日常的に強いストレスを抱え、感情を抑圧する習慣がついている方が多いんですよ。
例えば、「あまりにも仕事がイヤでイヤで仕方がなくて、でも辞めるわけにはいかない」という状況だと、できるだけそのことを考えないようにしたいですよね。
考えても仕方がないし解決しないので、辛いとか、苦しいとか思わないように。
できるだけ気をそらすために休みの日も無理に予定をいれたり、資格をとるための勉強に集中したり、趣味に執拗にのめり込んだり。
ボーっとできる時間をつくってリラックスするよりも、考えないように、感じないようにすることを優先した生活を行うことで、自分を保っている方もいるのです。
そんな生活が長く定着した方にとって、気をつけたいのが「抑圧している感情が漏れ出てしまう時」です。
ふとした瞬間に抑圧の蓋が開いてしまうと、辛さや悲しみ、淋しさなどのネガティブな感情が、まるで津波のようにドバドバっとあふれ出し、あっという間に飲み込まれてしまう。
「急に死にたくなる」「胸が苦しくて、起き上がれなくなってずっと泣いて過ごす」「何もかもがイヤになる」
こんな風に、危機的な状況を迎えてしまうのです。
そんな危機を避けるためには、「湯船に入らない」というのは自分を守るために有効な方法なんですよね。
湯船に入ってホッと一息つくわけにはいかないのです。
「湯船に入ると色々と悪いことを考えて具合が悪くなるので、入れないんです」
「湯船に入ると気が抜けて、長く入りすぎてしまうんです。気づくと1時間とか。疲れがどっと出ちゃって。だから入っていないんです」
こんな方は、入浴はさっさとシャワーで済ませる。
これが習慣になります。
こんな方がカウンセリングを受けて、湯船に入れるようになる。
ほっと一息つけるようになる。
それは、抑圧した感情をカウンセリングで安全に開放していく習慣を持つことで、無理に蓋をしめて生活する必要がなくなってきているということなのです。
そこまでくると、本当に皆さん、肩の力が抜けて表情が穏やかになるんですよね。
これまで、本当に大変だったんだろうなとしみじみと感じます。
人間関係や仕事の悩みでカウンセリングにいらっしゃる方が多いですが、カウンセリングを受けることで思わぬ効果を得られ、たった1~2カ月で生活が変わることがありますよ。
ちなみに、このブログを読んでいるあなた自身に、同じように湯船に入れない問題があれば、一度「トラウマ」を切り口に自分のことを振り返ってみることをお勧めします。
トラウマについては以下のページで詳しく説明していますので、ぜひ読んでみてください。