クライエントさんからの嬉しいご報告を紹介します。
「人の顔色ではなく、やってることや言ってることを見れるようになってきました。昨日も上司と会議をしたんですが、これまでと私が違うんですよ。これまでは上司の顔色ばかり窺って、なんて言えば嫌われないかな、ここではどういうのが正解なんだろう、とかそんなことばかり考えてました」
「でも、昨日はそういうことを考えないで、ただ上司の話を聴いて、それについて私の意見を伝えて、というやりとりができたんです。なんかやりとりがスムーズでした。上司も私の考えを尊重してくれて、『いいね!』とか言ってくれて」
「今まで、相手のことばかり考えて、緊張してちゃんと話が聴けてなかったんだなと思いました。今は、ただ相手の言うこととか、動きとかをそのまま見て、それについて考えられるようになってきた感じです。なんか、楽ですね。前よりも仕事が疲れません」

ご報告ありがとうございます!
これは本当にすごいことで、まさにクライエントさんの努力の賜物だと思います。
「相手の顔色を窺いすぎて、自分が言いたいことを言えない」
「相手に合わせすぎてしまい疲れる」
これは、共依存傾向の方の多くに当てはまる特徴です。
どうしても自分の気持ちよりも目の前の人間関係を優先してしまうんですよね。
このクライエントさんは、カウンセリングを始めた当初は、カウンセラーである私にまで過剰な気遣いをしてくださいました(笑)。
「山崎さん、私のこんな話を聴いていてつまらなくないですか?」
「私が今日ギリギリに到着したから、不快な思いをさせちゃいませんでしたか?」
私が「そんなことないですよ」と何度伝えても、こういうタイプの方はなかなか安心できないんですよね。
でも、できるだけ私に対して感じた不安や戸惑いなどは、カウンセリングの場面で、その日の内に伝えてもらようにお願いしていました。
というのも、共依存タイプの方は、家に帰ってから「今日の私のあの発言、〇〇さんをイヤな気持ちにしなかったかな」みたいに反省会をする人が多いんですよ。
家で一人で、その日の同僚や友達とのやりとりを振り返り、自分で悪いストーリーを作って不安になって落ち込んで。
それで自信をなくして、より相手の顔色を窺うという悪循環に陥ります。
だから、その悪循環を断ち切るためにも、まずは私との関係で練習してもらいました。
カウンセリングの場面で私の反応を見て不安になったなら、職場と同じように一人で家に持ち帰らないこと。
そのために、カウンセリングの最後の方に「今日は私の反応で心配になったりすることありましたか?」と確認し、小さなことでも言ってもらうようにしていました。
クライエントさんにとっても、自分が相手に対して感じた不安をそのまま共有する経験は今までなかったようで、とても新鮮だったみたいです。
「初めの頃は、山崎さんは私に気を遣って『そんなことない』と言ってくれてると思ってましたけど、さすがに最近は私の思いこみだなって思えてきますね」
さらに日が経つと、「今日は山崎さんの反応で不安に感じたことはありません」と、私との関係に安心感を持てるようになりました。
この「人間関係に対する安全」を感じること。
これがとても大切なのです。
子どもの頃から親の感情に振り回されるなどして安全を奪われると、「人間関係は危険なもの」だと思いこみます。
親が今日は優しくてとても嬉しかった。でも、翌日には理不尽にキレられる。
何が本当なのかよくわからないと、人のことを信用しない方が傷つかなくて済みますよね。
だから、相手の反応を見て、悪い方に考えて備えておく。
「課長は褒めてくれたけど、私が可愛そうで仕方なく褒めているだけ」
「今は楽しいけど、すぐにこの楽しみは終わる」
いわゆる、「ネガティブ思考」というやつです。
ネガティブ思考の人は、生まれつきネガティブ思考なわけないんです。
自分を守るために、できるだけ傷つかなくて済むために、ネガティブ思考が役に立った時期があるんですよ。
それが習慣になり、その人のデフォルトになったのです。
このクライエントさんには、こういったことを幼少期から振り返ってもらいながら、私との関係で感じる不安などを言葉にしてもらい、カウンセリングを続けました。
その成果が、冒頭の上司との関係です。
これまでのように不安に支配され、相手を警戒しながら緊張して付き合うのではなく、一定の安心感を持ってコミュニケーションをとる。
「相手の顔色ではなく、相手の言葉や行動をそのまま見れるようになった」
本当に良かったです。
私も、カウンセラーになって本当に良かった。
クライエントさんからいつもパワーを頂きます。
引き続き、サポートさせて頂きます!