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カウンセリングを受けると、余計に疲れるし具合が悪くなると聴きました。それって本当ですか?

 

「カウンセリングを受けると、余計に疲れるし具合が悪くなると聴きました。それって本当ですか?」

 

今回はこの質問に答えます。

 

「前回のカウンセリングの後、すごく疲れました。翌日までぐったりでした」

 

「カウンセリング終わると、最近けっこう疲れちゃうんです。家族からは、そんなに疲れるなら逆効果なんじゃないか、行くのやめたらどうか、なんて言われちゃいます」

 

これは、カウンセリングの場面で実際にあった相談者からのお話です。

 

つまり、「カウンセリングを受けると余計に疲れてしまう」というのは、実際にそんなに珍しいことではありません。

 

特に初回の面接を終えた方が、その日または翌日あたりにどっしりとした疲れを感じるというのは比較的多いです。(もちろん全員ではありません)

 

では、なぜカウンセリングを受けると疲れるのか。

 

その理由を説明します。

 

まず、こちらのブログを読んでみてください。

 

思考と感情の違いがわからないと、ストレスが倍増する。

 

上記のブログの内容を理解してもらうと話が早いです。

 

カウンセリングにいらっしゃる方は、当然ではありますが、皆さん何かしらの悩みを抱えています。

 

人間関係に大きなストレスを感じていたり、ずっと体調が悪い中で仕事を続けていたり

 

苦痛を感じながら日々過ごしている人が多いのです。

 

あなたも経験があると思いますが、とても辛い悩みを抱えながら仕事をしている時、「辛さ」をできるだけ感じない方が便利ですよね?

 

考えないないようにした方が、仕事に支障が出づらいですよね。

 

だから、多くの人は、その辛さをしっかりと受け入れて向き合うというよりも、「できるだけ向き合わない」、「見ないようにして耐える」というやり方を選ぶわけです。

 

感情を抑圧して、辛さに蓋をして、目の前の仕事に集中する。

 

そうやって毎日生活しがちです。

 

でも、毎日辛さを抑圧していれば体調は悪くなるし、眠れないし、いつまでも解決しないし、周りからは「疲れてるよ」「大丈夫?」なんて言われるし

 

なんとかしないとなと思って、勇気を出してカウンセリングに申し込む。

 

初回のカウンセリングは当然ではありますが皆さん少なからず緊張しています。

 

前日からあれこれ考え、不安になる。

 

「どんな話をするんだろう?」

 

「うまく伝わるかな?」

 

「こんなことでカウンセリング受けるなんて、私は弱いと思われないかな」

 

「カウンセラーはどんな人なんだろう。話しやすい人ならいいけど…」

 

こんなことを考えながら、約束した時間にカウンセリングルームに向かう。

 

ここまででも、けっこうエネルギーを使いますよね。

 

加えて、初回相談では、初対面のカウンセラーにあなたが困っている内容を詳しく説明しないといけません。

 

どんなことに困っているのか。

 

どうしたいと思っているのか。

 

どんな気持ちで過ごしているのか。

 

どうやって向き合ってきたのか。

 

人間関係の悩みなら、相手はどんな人なのか。

 

どんなことで傷つけられたのか。

 

などなど

 

あなたが語り、カウンセラーは聴き、質問し、またあなたが語る。

 

こういうやりとりを60分くらい行います。

 

カウンセラーの質問に応えたり、説明をするというやりとりは、一見するとシンプルでそこまで疲れるようには見えないかもしれません。

 

でも、実はそんなに単純なことではありません。

 

「自分のことを語る」ということは、つまり、「自分の気持ちを点検する」ことでもあるのです。

 

これまで耐えてきた辛さ、直視しないようにしてきた苦痛

 

大丈夫だろうと思って蓋を開けてみたら、けっこうな感情が漏れ出てくる。

 

どれだけ辛かったのか

 

どれだけ苦しかったのか

 

どれだけ悲しかったのか

 

どれほど怒っているのか

 

語ってみて初めて自分の気持ち、感情がわかります。

 

語ってみて、涙が出ることに自分で驚くなんて珍しくありません。

 

長く抑圧してきた感情がカウンセリングで解放される。

 

これは、とてもエネルギーがいることなのです。

 

だから、どっしりと疲れるのです。

極端な例えで説明してみると

 

スポーツ選手が、試合中に「なんだか足が痛むな」なんて思いながらも、目の前の試合に集中してプレーを続ける。

 

試合を終えて気が抜けた途端に足の激痛に気づき、歩けなくなる。

 

こんなエピソード、よくありますよね?

 

これと似たようなことが、カウンセリングでも起きます。

 

だから、カウンセリングを受けると、人によってとても疲れてしまうことがあるのです。

  

理解できましたか?


そんなに疲れるのに、カウンセリングを受けた方がいいんですか?

 

それでは、ここまで読んだあなたによぎるであろう、もう一つの疑問に答えます。

 

「そんなに疲れるなら、カウンセリングなんて受けない方がいいんじゃないの?」

 

そのお気持ち、ごもっともです。

 

確かに、疲れてしまう可能性があるカウンセリングをわざわざ受けるメリットが一体なんなのか、わかりづらいですよね。

 

最後にこれを説明しますね。

 

まず、私は「カウンセリングを受けて疲れた」「具合が悪くなった」という人に次のように伝えるんです。

 

「今までそれだけ大変だったんですね」

 

「ようやく疲れを感じることができて、良かったですね」

 

ずーっと感情を抑圧してきたわけですから、その生活を続けていれば、いずれかのタイミングで具合は悪くなるのです。

 

基本的なことなのですが、感情を無理に抑圧して生活するという方法は、短期決戦向きです。

 

受験勉強、社運をかけた大事なプロジェクトなど、「なんとかここを乗り越えないと!」という状況では確かにメリットがあるでしょう。

 

でも、言うまでもなく、長期戦にはとても不向きです。

 

無理を続ける期間が長い分、体に蓄積するダメージは増えていく。

 

これが危険なことくらい、わかりますよね?

 

だから、カウンセリングを受けて気持ちを点検し、その結果具合が悪くなったのなら、それは本来出るべき不調がきちんと出たということです。

 

「初めはきつかったけど、段々体調がよくなりました」

 

「前ほど家に帰って考えこむことがなくなり、落ち込まなくなりました」

 

「ふと立ち寄ったラーメン屋さんで、今まで感じたことがない幸福感を感じました」

 

これは、カウンセリングを続けて効果を実感した方の声です。

 

カウンセリングを受けると、自分の色んな感情に気づきます。

 

初めは驚き、戸惑い、消耗することもあるでしょう。

 

それでも、定期的に自分の気持ちと向き合うことで、徐々に慣れてきて、初めほど疲れを感じなくなってきます。(もちろんその人の特徴や状況にもよります)

 

だから、疲れるけど、カウンセリングにはメリットがあるのです。

 

ここまで、カウンセリングを受けるとなぜ疲れるのか、説明しました。

 

最後に補足しますが、今回はあくまでも「カウンセリングを受けて疲れるケース」について説明しただけで、「カウンセリングを受ければ誰でも疲れる」と言っているわけではありません。

 

「聴いてもらえてスッキリしました」

 

「自分のことが本当によくわかりました。仕事に行くのが楽になりました」

 

「この前カウンセリングを受けてから、だいぶ調子いいんですよ」

 

こんな風に、カウンセリング後に心と体がスッキリした感覚を覚える人も多いのです。

 

なので、「カウンセリングを受ければ、一時的に疲れたり、具合が悪くなったりする可能性がある」と理解してください。

 

とはいえ、今日のこのブログを読むと、カウンセリング後の疲れを心配に感じますよね。

 

特に心配な方は、疲れることを前提に初回カウンセリングの日程を組むといいですよ(休みの前日の夜あたりがいいかもしれませんね)。